わにBLOG 日本におけるオルソケラトロジー第一人者である三井メディカルクリニック院長三井石根によるブログ


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オルソケラトロジー


世界のオルソK事情(2)

中国での実態とその後

10月6日付け読売新聞の記事(「医療ルネッサンス」)から波及して、本来のオルソK診療とはいかなるものかについて、話が波及しました。実は、オルソKまがいの治療が一時期中国に展開されて、社会問題になったことがあります。

米国で発達したこの治療法は大変手間がかかる繊細な技術を必要としたので、アメリカのレンズメーカー数社(実際に把握されているのは3社)が、治療手順を簡素化して中国で展開したのです。実際にはフルカスタム(オーダーメイド)からは程遠いレンズデザインで、しかもあまり東洋人に対する角膜形状を解析することなく、簡単に処方できるスタイルで行っていたようです。また、レンズの取り扱いについても十分な指導を行うことなく、通常のコンタクトレンズ程度の安易な取り組み方がなされたため、複数の患者さんに重篤な感染症が生じたようです。その状況が中国政府の知れるところとなり、人民日報で警告(事実上の禁止通達)がなされたと聞いています。


私が日本で初めての本格的オルソK診療を開始したのが2000の5月です。ところが偶然にも、中国でのエピソードが時期的に重なって中国での活動が制限されたため、それ以降中国に展開してきたレンズメーカーが、中国で展開した方法そのままに日本に進出したという経緯があります。そして、現在ではその流れの診療が日本のマジョリティーになりつつある現状です。


中国ではその後、一部の大学病院などで正統な(本来アメリカで行われてきたフルカスタムデザインを用いた)診療スタイルでのオルソKが根付いてきたとも聞きますが、詳細は不明です。


私は日本人の角膜形状を十分に解析した上で、日本人向けのオルソKデザインを開発してきました。その結果、現在ではかなり強度の近視(近視度10D以上、裸眼視力0.01程度)であっても、およそ日常生活を裸眼で送れる程度まで改善させることが可能となりました。


同様に中国でも、中国人の角膜形状の解析の基にフルカスタムデザインをしている眼科教授がいらっしゃいます。これはアメリカのレンズメーカーからの話ですが、どうやら私がオーダーするフルカスタムデザインと中国の教授がオーダーしてくるデザインとはかなり似かよっているとのこと。両者のデザインともに、「アメリカの医師がオーダーしてくるデザインとは全く異なっていて驚く」とのことです。それほど人種によって角膜カーブの変異が大きいのではないでしょうか。
結局、私が日本人向けに開発したレンズデザインは、日本人ばかりではなく、中国人も含めた東洋人全体に適応する「オリエンタル・スタンダード」であったのかも知れません。



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